7月20日の放送で取り上げられたのは小泉成器でした。
社名は意識しなくても量販店でKOIZUMIのロゴを見た人も多いかもしれない。
私の場合、どの商品だったが明確に覚えてはいないけれど
量販店で目にしたのは小さめの家電だった記憶がある。
生活家電、たしか台所用品のコーナーだったかな。
確固たるメーカーなんだけど、
実はそれだけじゃない。
私たちのような小さな会社でも活路を見出せるかも!
そんな生き残り戦略のヒントがもらえた番組でした。
小泉成器の最大の特徴!メーカー&卸の二刀流とは
番組冒頭で紹介されたのは大風量を誇るドライヤー。
おなかをすかせた子どものために「1分1秒も早く髪を乾かしたい」
そんなママが選んだのがこの商品なのだと。
「マイナスイオンとかどうでもいんです」と話すママさんが印象的。
そういえば、そんなPOPばかりだったな・・と売り場の光景が浮かんできます。
ニッチなニーズを商品化するメーカー
番組ではニッチなニーズを満たす商品の紹介が続きます。
・コードレスで直径8.5センチ!置き場所に困らないミキサー
・外出先でさっと使えるコードレスのコンパクトなヘアアイロン
・ゆで卵が手軽に作れる機械
・ご飯の炊ける土鍋のついた電子レンジ
・目玉焼きとトーストの同時調理ができるトースター
どの商品も決して真っ先に頭に浮かぶメーカーではないけれど(失礼)
確実に『それがほしい!』という人がいるのはわかる。
※ちなみに小泉成器の商品サイトのトップもドライヤーでした(執筆時点)
消費者のニーズは日常生活の中から見つけろ!
小泉成器の開発姿勢も面白い。
メーカーのマーケティングといえば綿密な調査をイメージします。
そのうえでテスト販売したりして、本格的に生産する前に手ごたえを確認するとか。
でも発想そのものが違うのですね。
「ニーズがあれば、ひたすらニーズを満たすものを形にする」
ということのようです。
・広く売れるものは作らない
・届くところに届けばいい
だから
「お客さんが何を必要としているか」
ニーズに対する嗅覚が磨かれていくのですね。
普通なら採算のとれる生産ロットとかを考えそうですが
まずは社員さん自身がほしいもの提案・商品化するのが優先ってこと。
目からウロコかもしれない。
一流メーカーだって確かな目利きが必要
小泉成器は卸(ベンダー)として160社もの代理店でもあります。
これが二刀流と紹介される理由です。
それもTOTO、ティファール、タニタ・・など誰でも知っているメーカーばかり。
競合防止のため1業種1社に絞るものの、幅広い商品を持つことで
・魅力的な商品を届ける
・魅力的な売り場をつくる
ことができるわけですね。
ジャンルが広いのは世の中の動きがわかることとありましたが
確かにその通りかもしれない。
”作り手だけの思考では限界がある”
こう考えるメーカーは、どうやったら消費者が手に取るのかサポートがほしいはず。
独自の嗅覚を持つ小泉成器に目をつけるのは当然なのかもしれない。
商売というゲーム:知らないでいるお客様にどう伝えるか
ビジネスで扱う商品・サービスにかかわらず
何かを提供してお金をもらう流れ自体は変わりません。
でもメーカーが売上を増やしたいなら
・従来顧客の買い替えを待つ
・まだ持っていないお客様に買ってもらう
このどちらが効果的でしょうか。
どちらも大事ではありますが
後者はマーケット自体を広げる意味で価値が大きいです。
もしお客様がそのニーズに気づいていないなら
情報を与えるだけで「ほしい!」と思うかもしれない。
ニーズの発掘ができれば、販路は大きく広がります。
関連性のある商品Aと商品Bを同時に展示し、POPをうまく配置すれば
・商品Aに関心のあるお客に商品Bを伝える
・商品Bに関心のあるお客に商品Aを伝える
説明する店員を置くことなく、両方の商品の訴求ができることになります。
ホームセンターでの例が紹介されていましたが
組み合わせを効果的に使うことで可能性が広がりますね。
番組中で気になった言葉
『客のニーズを掘り起こす』
『届けるところに届けばいい』
メーカーどころかマイクロカンパニーだと
自分たちが使えるリソースなんて知れたものです。
むりやり頑張ってみたところで
豊富なマンパワーを誇るライバルがいたら勝ち目はありません。
それでも・・
ニッチなニーズに絞り込むことができるなら
必要とするお客様には貢献することはできるでしょう。
「私を必要とする誰かのために仕事するんだ」
こんな勇気をもらったような気がしました。
モチベーションをどう上げるかというのは常に経営者の課題となります。
大きなヒントを私にくれた番組でした。
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